2018年手術記1(オペ当日①)
2018年3月、クローン病で5回目の開腹手術(痔瘻のシートン術を入れれば6回目の手術)を受けたので、その手術記を記録していきます。
手術を受けた理由
クローン病の手術の理由のほとんどを占めると思いますが、狭窄です。
私は2014年、小腸を一部切除しており、その吻合部からの再燃で、2018年の年明けにイレウス症状(激しい腹痛・詰まり感)に襲われました。
自宅で絶飲食したらイレウス症状は解消したので、即入院!は免れましたが、病院で検査をしたところ、小腸の2か所に狭窄の疑い。
うち1か所は、造影剤のガストログラフィンも入らないほどの狭窄と判明してしまいました。
一応、入院することはなく、エレンタール+軽い食事も取れるくらいには回復しました。
たぶん、腫れが引いて狭窄部分が少し広がったのだと思います。
でも、いつまた詰まるかわからないし、緊急手術にでもなったら仕事とかいろいろ最悪なので、自分からお願いして、手術の予約を入れてもらったというわけです。
2月に手術することを決め、手術日は3月末で確定。入院日はその2日前でした。
手術まで1か月以上あったので、またイレウスにならないよう気をつけながら、入院中の分まで仕事を前倒しして片付けることに。
これはもう、本当にきつかったです。正直、入院までの労力に比べれば、術後の痛みなんて大したものではありません。
前置きが長くなりましたが。。
手術当日(全身麻酔まで)
6時前に起床。
飲水できるのが6時までだったため、慌てて、残っていた「グリーンダカラ」を全部飲みました。
前日の夜から食止めなので、当然、朝食はなし。
8時30分ころ、家族が来る。
手術は10時からの予定で、手術着を着て待っていると、珍しく予定どおり9時50分に看護師さんが迎えに来たので、手術室へ。
手術室は何度見ても独特の雰囲気があります。
いくつもの部屋で手術が行われていて、それぞれの部屋にたくさん機械が置いてある。あとやけに寒い(機械が過熱しないように?)。
私の部屋に辿り着き、手術台へ。
これまで点滴をしていなかったので、手から点滴のルートを取るのですが、ここでちょっとした問題が。
病棟では、前腕で点滴を取りますが、手術室では手の甲から取るようです(*)。これが慣れないのと、けっこう痛い。
しかも、私は点滴で失敗されることがまずないのですが、点滴を取る看護師さんが新人で、まさかの失敗。
結局、利き手の右手の甲で取られてしまいました。
*血管が出にくい人は、病棟でも、手の甲とか足から点滴を取る場合があります。
また、CV(中心静脈カテーテル、今はIVHとは呼ばないのですね)で点滴をする場合は、鎖骨下や首から取ります。
とはいえ、点滴以外は特に問題もなく、硬膜外麻酔の管も順調に入り(この処置の麻酔注射が、手術直前の処置の中で一番痛いです。)、酸素マスクを着けました。
いつも、意識を失う瞬間を見定めようとして、カッと目を開いているつもりですが、麻酔に勝てるはずもなく、次の瞬間へ。
手術当日(手術終了~リカバリールームへ)
喉の違和感が気になって、重たい目を開けると、案の定というか、もう手術が終わっていました。
喉の違和感は気管のチューブのせいで、すぐ抜いてもらえました。
時計が12時50分を指していました。
今回は3時間もかからなかったのか、早いなぁ、これは良い結果が期待できるか?と、ぼんやりした頭で考えていると、そこはもう手術室ではなく、リカバリールームでした。
これから、ここで1日を過ごすことになります。
しばらくは、寝たり起きたりを繰り返してよく覚えていませんが、まず家族が来て、その後に主治医の先生が来て、手術結果の説明を受けました。
やはり強い狭窄は2か所。どちらも以前の手術での小腸吻合部で、クローン病でもっともありがちな、吻合部からの再燃は明らか。
でも、狭窄部が広範囲ではなく、2か所とも狭窄形成術を行うことができたとのことです。腸切除を避けられたということです。
いつ手術を受けるかという問題
腸の大量切除を回避できる。
変な話ですが、適切なタイミングで手術を受けるメリットは、ここにあります。
もちろん、クローン病の場合、手術しても完治しないので、悪化したからといってやたらに腸を切除していくと、もっとも恐ろしい短腸症候群へと近づいてしまいます。
でも逆に、手術するタイミングを逃し、さらに悪化を続けると、狭窄部から穿孔したりして、結果的にかえって大量に腸を切除しなくてはいけなくなったりします(私の最初の開腹手術はこのパターンでした。)。
最悪の場合、腹膜炎を起こして生命を落とす場合すらあります。
当然のことながら手術は、痛いしリスクもあるし、何より入院して仕事・学校など休まなければならなくなるので、進んで受けたい人はいないでしょう。
それでも、適切なタイミングで手術を受ければ、かえってクローン病のダメージを最小限に抑えられることがあるということです。
適切なタイミングの判断は、信頼できる医師と相談するのはもちろんですが、最終的には自分で決めなければなりません。
もし、あなたが主治医から手術を勧められているのであれば、切りたくない!休めない!とただ拒否するのではなく、前向きに検討することをおすすめします。
私は、手術を拒否し続けて、超腹痛+栄養状態どん底になり、結果的に大腸をほとんど摘出する羽目になったので、その体験記もいずれ投稿したいと思います。
脱線はこの辺にして、手術記2に続きます。